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DOOR to ASIAという活動に参加するため陸前高田でとても濃い1週間を過ごしてきた。DOOR to ASIAとは、アジア各国のデザイナーを日本のある地域(今回は陸前高田)の地元事業者と交流しながら、各事業者の歴史、文化、または思い入れなどを理解してもらった上で、その事業者の商品なり、ロゴなりをデザインしてもらったり、または新しい事業形態やビジネスアイデアなどを提案してもらったりする活動だ。

日本各地には良いモノがたくさんある。東北もそうだ。しかし、災害によって被害を受けた事業もあれば、または高齢化・人口流出による後継者不足の問題に直面している事業もある。日本の総人口が減少している中、「海外展開」という新しい視点を取り入れる可能性を探るきっかけにもなる。

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アジア各国のデザイナーにとって、日本の地方、または東北に来て事業者と交流することによって、災害復興・地域活性化におけるデザインの役割を考えるきっかけになるし、「災害」や「高齢化社会」、「地方過疎化」などといった課題は日本に限らず、アジア各国も近い未来に直面するだろうし、新しい共同体を作ることによって、国境を越えるパートナーシップ、そして中央政府というひとつの組織の縛りを解いて、より多様性のある解決策を見出すことができる。

経済のグローバリゼーション、情報通信のグローバリゼーション、そして文化のグローバリゼーションが進んでいる中、私たちは得るモノがたくさんある。その一方、失うモノも少なくない。モノに溢れる環境や情報通信の速さを得た反面、人間関係の薄情化や環境破壊などが進んでいることは否めない。簡単に言うと、経済的に「発展」したものの、社会的・環境的にはむしろ衰退したのではないだろうか。

人類は常に「発展」を遣り遂げてきたので、「発展」自体は批判することはできないが、新しい時代を迎える今現在、今までない社会構造を築く必要があるかもしれない。それは、例えば100年間持続可能な発展(100年先を見据えて自然資源の確保、人間関係の構築、そして経済の潤沢)を提案することができる。ここでいう経済は必ずしも金銭経済とは限らず、モノが交換されたり交わされたりする仕組みのことを指す。

そういう意味では、「観光」も徐々に変化する必要があるのではないだろうかと思う。「旅行」や「観光」は時代によって意味合いが異なってきただろう。今の「観光」は言葉の通り、風光明媚を観ること。それは美しい自然を観ることを指す。しかし、観光の商業化によって、観光施設を作るために自然環境の破壊、または伝統文化の衰退に繋がることもある。

「経済」、「環境」、「社会」の3つの要素をバランスよく保つことが大事だとしたら、ただ風光明媚を観るだけではなく、ちゃんとそこに住んでいる人と、そこの伝統文化歴史をちゃんと理解した上で、現地に踏み込んで「かんこう」をする必要がある。「観光」ではなく、「関光」のほうが適切なのではないかと思う。

人間関係、自分と自然との関係、自分と伝統文化との関係を築いた上での「関光」のほうが、持続可能な発展に繋がるのだろう。

そして、今回のDOOR to ASIAの活動も、アジア各国のデザイナーにとっては二つの意味がある。ひとつは災害復興・地域活性化におけるデザインの役割を考える。もうひとつは、まさに「関光」かもしれない。

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