2年前の東日本大震災後に私と一緒に夢のプロジェクトを立ち上げた、シンガポールの慈善画家ピーター・ドロー氏は先週末、シンガポールで美術展覧会を開いた。普段は冗談連発で、とても面白い人ですが、仕事になると眼差しがからっと変わり、熱心な一面が現れる。今回は残念ながら、展覧会の現場には行けなくて、facebookを通して拝見させてもらったが、とてもピーターらしい、シンプルで深い展覧会だった。

テーマはズバリ、愛〜から(First, Love)

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コンセプトも至ってシンプルで、会場の部屋に10,000個の青い風船を入れただけ。来客は自由に部屋に入り、風船と触れ合うことができる。そのあと、自分の感想を紙に描く。

しかしこの単純に見える展覧会にはとても深い意味が孕んでいる。

この1個1個の風船は、我々の周りには目には見えないけど、常に存在している「空気」を表している。この部屋に入って、圧倒されながらも、お客様は大量な風船に大喜びではしゃいだりしている。しかし、我々は日常でもこんなにも多い空気の粒に囲まれているのに、どうしてあの部屋にいるみたいに、喜んでいないのでしょうか?「幸せ」は常に周りにある。目には見えなくても、常にそばにある。それに気付くかどうかが、人生の幸福の決め手になると。

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ピーターがこの展覧会を始めたのは、やはりあの東日本大震災がきっかけといっても過言ではないだろう。夢のプロジェクトの一貫として、ピーターは中国四川省をはじめ、インドネシアのアチェやコスタリカ、それから台湾など、以前大地震・津波を経験した国々に訪れ、そこで震災を乗り越えてきた子供たちと会ってきたのだ。

コスタリカにいたとき、「自分の家族や国が大変なことになっているのに、自分は何もできない」と泣いていた女の子がいた。そこで、ピーターは「いや、違う。あなたにもできることがあるんだ」と教えてあげた。あの子に日本への応援メッセージと絵を描いてもらって、その絵を日本に持ってきたのだ。国は違うし、言葉も違うけれど、そこで繋がったのは、ささやかな「愛」だった。あの女の子は助けたいという「愛」のメッセージがあの絵に隠れていた。そして、その絵は海を渡って日本にやってきて、震災を経験した子供たちの力になった。

「愛〜から」は、どんなに些細なことでも、「愛」さえあれば、きっと何か大きなことに繋がるということを伝えたいだろう。

何事でも、まずは「愛〜から」

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