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今年シンガポールで一番話題になっているのは恐らくホワイトペーパーであろう。

ホワイトペーパーとは、シンガポール政府によって発表された、今後シンガポールの人口に関する方針の指針。ホワイトペーパーによると、2020年以降、労働人口よりも退職する人のほうが多くなる。また、少子化のため、2025年より50歳以上の人は50歳未満の人を超え、シンガポールの人口が減っていくだろう。

この少子化・労働不足問題の対策として、2030年までに、シンガポール国民、永久住民、それから外国人労働者の人口を大幅に増やすことが挙げられている。2012年6月の時点で、シンガポールの人口は530万人ぐらいで、そのうち、シンガポール国民が330万人、永久住民が53万人、それから外国人労働者が147万人だという。

つまり、おおよそ3人に1人は、シンガポールで育っておらず、シンガポールの言葉、文化や歴史などがちゃんと理解できていないのであろう、外国人労働者という計算になる。

ホワイトペーパーの予測通りになると、2030年には、総人口が690万人とすると、そのうち、国民と永久住民の数は440万人に達し、外国人労働者は250万人になるだろう。

シンガポールの面積は700平方キロメートルぐらいで、東京都の23区の面積しかないというのに、3分の1を占める外国人労働者のせいで、現地の人の仕事が奪われ、土地の価格も急速に上がることになる。

そういうわけで、シンガポール人の政府に対する苦情が殺到しているのが現状である。

シンガポールはもともと移民国ではあるが、この短い48年間に作り上げられた「文化」と「アイデンティティー」は簡単に崩れるものではない。シンガポールは資源に限られている小さい国のため、スポーツ、ビジネスなどを育てるには、外国の力を借りざるを得ないかもしれない。そのせいか、近年急増している経済を支えるため、この時代に求められる多様性に応えるため、外国人を大量に受け入れてきた。

昨年のオリンピックで銀メダルを獲得した卓球選手も、中国生まれ育ちの人で、誇りを感じるどころか、批判の声が上がる一方だった。シンガポールという文化、アイデンティティーを見直す時がやってきたのだろうか。外国人を受け入れながらも、自分の文化をしっかり守るのが今後の課題だろう。

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